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乳幼児の難聴 乳幼児難聴は早期発見がとても重要です。難聴児に早期に機能訓練や言語指導などを行うことにより、良好な言語発達が得られることが報告されています。 耳の構造と聞こえのしくみ 最初に、耳の構造と聞こえのしくみをお話いたします。耳の構造は、外耳、中耳、内耳に大きく分けられます。鼓膜の奥に中耳腔という空間があり、ここに鼓膜の振動を内耳に伝える3個の骨(耳小骨:ツチ、キヌタ、アブミ骨)があります。 聞こえが悪い場合に考えられる病気 聞こえが悪い場合に考えられる病気はたくさんありますが、小さなお子様ですと、主なものは以下のとおりです。 1.外耳道や鼓膜に原因 耳あか 外耳道炎 先天性外耳道閉鎖症 小耳症 2.中耳に原因 中耳炎(慢性中耳炎、滲出性中耳炎、急性中耳炎、耳管狭窄症、耳管開放症)先天性中耳奇形、真珠腫中耳炎(慢性中耳炎、滲出性中耳炎、急性中耳炎、 先天性外耳道閉鎖症および小耳症で中耳奇形をともなうもの。 ここまでの1,2は伝音性難聴といわれるものです。中耳炎 慢性中耳炎に代表されます。この中で滲出性中耳炎は、中耳に水が溜まる病気で急性中耳炎と違い痛くないためしばしば見逃されます。 3.内耳に原因 神経性難聴、感音性難聴と言われるものです。お子様ですと遺伝性難聴、内耳奇形などの先天性のものやおたふくかぜ、先天性風疹症候群、などのウイルス性もあります。その他内耳炎 特に中耳炎からの炎症の波及によるものなどの細菌性もあります。 4.そのもっと元(中枢)に原因するもの 聴神経腫瘍や脳血管障害など(小さなお子様ではまれです。) 乳幼児用の優れた難聴スクリーニング方法 先天性の難聴は、2 歳から3 歳頃、言葉の発達の遅れで発見される場合が多いと言われてます。しかし、言語発達には臨界期があるために、早期発見の重要性は従来から指摘されていました。先天性の難聴は1,000 出生中の1〜2 人と言われています。これまでは有効なスクリーニング方法が得られていませんでした。近年、新生児用の優れたスクリーニング方法が開発され、生後6 カ月以内に聴覚障害の診断を行うことが可能になりました。難聴児に早期に機能訓練や言語指導などを行うことにより、良好な言語発達が得られることが報告されています。新生児聴力のスクリーニング方法には自動聴性脳幹反応(AABR)と耳音響反射(OAE)があります。 |
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