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鼓膜形成術

耳の構造について

まず耳の構造と聞こえのしくみからお話いたします。
耳の構造は、外耳、中耳、内耳に大きく分けられます。
鼓膜の奥に中耳腔という空間があり、ここに鼓膜の振動を内耳に伝える3個の骨(耳小骨:ツチ、キヌタ、アブミ骨)があります。
外耳から入った音は鼓膜を振動させ、それが耳小骨を伝って内耳に入ります。内耳の蝸牛(かたつむり)部分にある蝸牛神経が振動を感じ取り、その信号を脳に伝えて「聞こえる」ということになります。鼓膜は音を受け取り、奥(中耳、内耳)へ伝える重要な働きをするところです。
また、鼓膜は丈夫な構造なので、中耳に水や挨、あるいは細菌が侵入するのを防いでいます。

鼓膜形成術の目的

ところが慢性中耳炎を患った人、あるいは外傷をうけた人のなかには、鼓膜に穴があいたままふさがらない人がいます。
そうなると、音をうまく受け取ることができなくなり、聞こえが悪くなってしまいます。また穴の奥は常に外からの刺激にさらされ炎症をおこし、耳だれがたびたび出たりします。
鼓膜形成術は、聞こえを良くする、あるいは中耳を炎症からまもる目的で、鼓膜の穴を人工的にふさぐ手術です。

手術の実際

耳の中に麻酔液を浸した小さな綿を2-3個入れ、その後ガーゼを入れて鼓膜と外耳道の麻酔をします。
15-20分後耳の後ろに痛み止めの注射をします。皮膚を約2-3cm切開し、そこから鼓膜の穴をふさぐための組織を採取します。3-4針の縫合、耳の後ろなので傷はほとんど目立ちません。
当院では最新式のサージトロンという電気メスを使用していますので出血は極めて少量ですみます。
次に鼓膜の穴のまわりを麻酔したあと清掃し、最初に採取しておいた組織で穴をふさぎます。さらに「フイブリン糊」という接着剤を使って、組織片がずれないように固定し、手術を終えます。
手術時の出血は極めて少量で、痛みも軽度です。

手術後について

術後約2週間は激しい運動を避ける、強く鼻をかまない、などの注意が必要です。
穴をおおった組織を介して鼓膜の再生が数カ月かけて行われます。ここで感染が起こると再び穴が開いてしまうので注意が必要です。傷口が落ち着くまでは飲み薬や点耳薬を使いながら外来で経過を見させていただきます。丈夫な鼓膜の再生が確認できれば、その後の通院は必要ありません。接着組織が安定せず、再び鼓膜穿孔が生じる場合があります。
この手術の成功率は約80%です。