大島耳鼻咽喉科
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鼻茸切除、内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)

なぜ手術が必要なの?



鼻茸や副鼻腔炎があると、鼻づまり、鼻漏、頭重感、嗅覚障害、集中力低下、口呼吸による口臭など様々な障害が起こります。また精神的な憂鬱が続くこともあります。
鼻茸切除内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)を受けることによりこれらが改善し、QOL(生活の質)が向上します。


どこを、どうやって手術をするの?

人の頭蓋骨の中には頬、眼の横、眼の上に空洞になっているところがあります。その空洞は鼻の中(鼻腔)とつながっています。この空洞を副鼻腔といいます。その副鼻腔が慢性の炎症を起こし、汚い粘膜や膿がたまる状態を副鼻腔炎(蓄膿)といいます。
副鼻腔炎が進行しますと汚い粘膜が鼻腔にまで出てきてしまい(鼻茸:はなたけ、ポリープ)さらに鼻閉がひどくなります。この鼻茸と副鼻腔の病的に腫れた粘膜をとることが手術の目的になります。


サージトロンによる鼻茸切除とは

鼻茸切除の術中、術後の出血および疼痛を最小限に抑えるため、当院では最新式サージトロンを使用しています。スネアー(鼻茸絞断器)をサージトロンで高周波止血を行いながら使用することにより容易に鼻茸を切除できます。
次の図は、鼻茸ができて気道が狭くなっている状態です。麻酔は鼻内に麻酔ガーゼを留置します。鼻茸切除術だけなら注射はしません。


内視鏡下鼻副鼻腔手術とは

内視鏡下鼻副鼻腔手術は、鼻の穴に内視鏡を挿入し、TVモニター画面を見ながら鼻内手術をおこなう方法です。
従来の唇の下から切開する方法とは異なり、切除する範囲は、病気を改善させるために最低限必要な部位のみです。さまざまな角度から副鼻腔を観察でき、また、TVモニター画面で拡大されるため、術中術後の出血や痛みが、従来の鼻根本手術よりも、はるかに少なく、また、頬の腫れやしびれを生じません。
鼻のそばにある眼や脳といった危険部位を傷つけないよう、安全を確認しながら手術をおこないます。

1)内視鏡下鼻副鼻腔手術の麻酔

麻酔は、鼻内に麻酔ガーゼを留置し、手術直前に痛み止めの注射を追加します。止血のためのお薬も入っていますので、注射後多少どきどきすることがあります。

2)手術時間

手術時間は、片側30分−60分程度です。鼻中隔湾曲矯正術を併用する場合は、これに20−30分が加わります。
出血が多い場合にはこれよりもさらに時間がかかることがあります。
十分な麻酔液を注射しても痛みが強い場合、または、出血が多い場合には途中で中止することがあります。

3)手術後の経過

手術当日約1時間、ベッド上での安静が必要です。
当日は飲酒、入浴はおやめください。 ガーゼを抜いた日も、出血しやすいため半日安静が必要です。 その他は、通常の生活をおこなっていただいて結構です。 術後の鼻の痛みは軽度です。ただし、両方の鼻にガーゼが入っている間は、口呼吸をせねばならなくなるため、のどの渇きや痛みを少々生じます。
手術後、1ー2週間は汚れがたまりやすいため、頻回の清掃治療が必要です。内服薬は、1ー2ヶ月を目安に服用していただきます。
手術後も、ポリープが再発しやすいため、定期的に診察を受けてください。
皆様に安心して御自宅で御静養いただくため、また、手術後トラブルを未然に防ぐため、手術後は24時間体制で対応させていただきます。